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"NPO"という言葉の意味

"NPO"とは英語の"Non-profit Organization"(ノン-プロフィット オーガニゼーション)の略語です。Nonは否定の接頭語で「~でない」「非」という意味で使います。Profitは「利益」や「営利」、Organizationは「団体」や「組織」の意味を表し、NPOを日本語に訳すと「非営利団体」や「非営利組織」となります。ただ「非営利団体」には、政府や自治体などを含む場合もあるので、NPOといった場合には特に「民間非営利団体(組織)」と訳されることが多いようです。

NPOの範囲

日本でNPOという言葉を使うときに、その言葉の指し示す意味の範囲は次のようになっています。

  • 最も狭い意味の範囲では、NPO法(特定非営利活動促進法)に基づいて特定非営利活動法人(NPO法人)になった団体のこと。NPO法成立後は「NPO=特定非営利活動法人」の意味で使う人が多いようです。特にマスコミはその傾向が強く現れています。
  • 法人格の有無に関わらず、市民が自発的につくったボランティア団体や市民活動団体のこと。NPO法が成立する前から市民活動を行っていた人は、法人格を持たない団体を含めた意味で使用している人が多いようです。
  • 少し広い意味で、宗教法人、社会福祉法人、社団法人、財団法人、私立学校法人、医療法人、特定非営利活動法人(NPO法人)、ボランティア・市民活動団体などすべての「営利を目的としない公益団体」に使用されます。NPOについて研究を行っている研究者が主に使用しているようです。
  • 一番広い意味では、営利団体以外のすべての団体を指すこともあります。上記にあげた公益団体の他に農協や生協、労働組合、共済組合、町内会、自治会などがあげられます。NPOをこの意味で使用することは一般的ではありません。

上記のようにNPOは使用する人によって意味の解釈が違うため、いつまでもNPOに対する認識度が上がらないのが現状です。

NPO法人の活動分野

1998年の特定非営利活動促進法(以下 NPO法)では、12の活動分野が存在していました。2003年5月1日より改正NPO法が施行、一層のNPO活動の発展を図るため活動の種類が追加され、12分野から17分野に変更されました。2011年の改正によりさらに3分野が追加され20分野になりました。20分野の詳細は下記のようになっています。

  1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  2. 社会教育の推進を図る活動
  3. まちづくりの推進を図る活動
  4. 観光の振興を図る活動
  5. 農村漁村又は中山間地域の振興を図る活動
  6. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  7. 環境の保全を図る活動
  8. 災害救援活動
  9. 地域安全活動
  10. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  11. 国際協力の活動
  12. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  13. 子どもの健全育成を図る活動
  14. 情報化社会の発展を図る活動
  15. 科学技術の振興を図る活動
  16. 経済活動の活性化を図る活動
  17. 職業能力の開発又は雇用機会拡充の支援活動
  18. 消費者の保護を図る活動
  19. 連絡、助言又は援助の活動
  20. 指定都市の条例で定める活動

20の役割を担っているNPOを特に中間支援組織と呼びます。 サポートちたはこの中間支援組織にあたり、主に福祉分野のNPO法人をはじめ、NPO法人、任意団体、ボランティア団体、市民活動の支援を行っています。

非営利の意味

「営利」には、団体が得た利益を団体構成員に対して分配するという意味があります。それに対して「非営利」には、団体が利益を得てもその利益を団体構成員に配分しないという意味があります。団体が行っているサービスによって得た収益から必要経費を引いて残った利益を団体構成員に配分しない団体が、非営利団体です。

日本では収益があり、利益が出ている団体はすべて営利団体として見られる傾向があります。

 「非営利」=「無報酬」ではない

『NPOなのに利益や儲けを考えて良いの?』と思っている人も多いと思います。これは、非営利を無報酬と混同しているところがあるからかもしれません。
日本では、ボランティア=無報酬と考えられることが多いため、多くの人々にボランティアの延長線上にあると思われているNPOも必然的に無報酬であろうと思われるのかもしれません。

非営利とは、団体が活動していく上で必要な経費や管理費などのために利益を使用したり、そのために利益を出そうと努力することで、利益をNPOで活動しているスタッフたちで分け合うことではありません。

NPOで活動することで得た利益を、NPO自信を運営していくことに再投資することで、社会資源や人的資源の育成、社会変革の実現を目指し、そのことによって社会がより良くなっていくことがNPOの目的・ミッションと言えます。

《NPOのスタッフの給与について》
NPOがスタッフに支払う給与は、団体の必要経費であり、利益の分配にはあたりません。
なぜなら、NPOで行われている活動や仕事に対して、義務や責任が生じたときに、ボランティアのように義務や責任があやふやな立場だと組織として成り立たなくなってしまうと考えらるからです。
NPOのスタッフに給与を支払うことは、安定した組織運営を行ううえでも、NPOが行う活動やサービスの質の安定や向上を守るためにも必要不可欠であると言えます。

NPOとボランティアの違い

ボランティアとは、「個人の自発的な意志に基づいて、社会的な活動に参画する人」のことで、活動で提供した労働力に対して金銭的な見返りを求めないことが多いです。

ボランティア活動は、本人の意思でどのようにも変化し、安定するものではないので、例えば本人が活動に対してメリットや魅力を感じなくなったとき、労働力やサービスの質が劣る可能性があります。また、労働力やサービスに対する義務や責任があやふやになりやすいところがあり、個人にとっては気軽に活動に参加できるというメリットがある反面、団体にとっては労働力・サービスの不安定さを招き、信頼性が希薄になりやすいデメリットがあります。

上記のようにボランティアは活動を行っている「個人」に注目しているのに対し、NPOは「組織」に注目して活動をしています。NPOは理念やミッションを共有し、今ある社会資源を有効に使い、新たな社会資源や人的資源を育成したり、作り出すことによって、社会をより良くしていこうという目標があります。