村上明子さん(NPO法人 りんりん)

      2016/10/31

 

NPO法人りんりん(半田市)
 りんごクラブ責任者
 村上明子さん(30代)

 19歳の時、北海道富良野へ渡る。今は閉塾したが、富良野塾で2度の四季を体験、濃密的な人間関係の中で演劇を目指した青春期を過ごした。町から離れた大自然の景色や薪ストーブのにおいや冬の静寂に囲まれた生活が、心に平穏をもたらしたと振り返る。

人の役に立てないと思い込んだ途端に心はしんどくなる。福祉の業界は仕事なのに相手から「ありがとう」と言ってもらえることがあり、有り難い。学生時代はなんとなく学校や集団が苦手だったせいか、現在はりんごクラブで「育ち直しをさせてもらっている」と感じている。

rinrin8ヘルパー資格は、半田に戻ってきた時、母の勧めで取得した。障がい者支援の社会福祉法人で半年間の試験雇用を経験した後、NPO法人りんりんへ。学童保育の立ち上げ準備にかかわり、現在に至る。りんごクラブの子どもたちから「家族」について考えさせられることが多い。生活拠点のある地元で仕事を得、支援の現場を通して、物事の見方が変わってきた。理解できない人や事柄を切り捨てるのではなく、共存できたならば自分の可能性は閉じない。人は多面的であるし、失敗しても学べばよいと思うようになった。

「ふだんの・くらしの・しあわせ」を支える福祉は、どこまでやっても終わりがない。相手とのコンスタントな関わりが求められるので、がんばった挙句に充電期間が必要なほど燃え尽きると周囲に迷惑がかかる。不安はあるが、自分ができることを無理しすぎないようペース配分を心がけている。息長く働きたい。仕事をするということはある程度のふんばりが必要だから、今は仲間と一緒に経験知を積み重ねていると思う。

休日は、大好きなコーヒーに合うお菓子を作り、ゆったり過ごすことが多い。先輩ヘルパーの凄さに感嘆しつつも、気負い過ぎずに、オンリーワンの利用者を支えることに徹して、毎日無事一日を終えるありがたさに感謝していると、笑顔で語った。

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