坂本加惠子さん(NPO法人 もやい)

      2016/10/31

 

NPO法人もやい(阿久比町)
 訪問介護、障害者支援、子育て支援 担当
 坂本加惠子さん (60代) 

母が脳梗塞で倒れ、同じころ父も介護が必要になり、支えきれずに退職したのが40代。「他人にはわかってもらえない」と、介護を一人で抱え込んでいた。そんな時、「気晴らししておいで」と、もやいの援助に救われた。同時に、介護は自己流でいいのかという疑問が芽生え、平成22年にサポートちたでヘルパー2級を受講した。寝たきりの人にも意識はある、手を握ってあげなさい。講師の言葉通り、自宅で意識のない母の手を握ったら握り返してくれた。この瞬間、自分が優しくなれたと思い起こす。

moyai6きっかけは、両親の気持ちを知りたい一心で受講したので、他人のお世話まではできないと思っていたが、気が付けば、子育て支援や障害者支援に従事して6年が経っている。最初は不安だったが、「もやい」での実習が自信につながった。自分から安心を与えないと相手も安心はできない。相手の安心を見つけてあげないといけない。今では、友達から介護の相談を受けるようになった。

利用者に心を開いてもらうコツは、若かった頃の楽しい思い出を引き出すと笑顔になるし、話したがらない人には、体調などを気遣うとポツリと話し出してくれる。自分の考えを押し付けない、そう思えるようになった途端、人と接することが苦手だなんて嘘のように、子どももお年寄りも大好きに変わっていった。

皆、人生それぞれ、皆、人間。自分もいずれこうなるからこそ、その立場に立ってみることが大切。障害ある子どもとの意思疎通はとても難しいことだが、その子のいいところを見つけようと接していると通じる瞬間が分かる。難しいから達成感がある。仕事を長く続ける秘訣は、時間を上手に利用すること、楽しみを見つけること。慌てなくていい、この職場なら相談できる。改めて、母を看取った経験があるから今があると感謝している。

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