最新!認知症ケアと予防

      2016/11/17

8月3日、26日 10:00~12:00  講師:特定非営利活動法人絆 長坂美咲子氏

長坂さんは介護福祉士・認知症ケア専門士・サポーターキャラバンメイトという資格をお持ちで、絆のデイサービスで認知症の方々と関わって仕事をしています。

 まず、グループで自己紹介をしながら認知症についてのイメージについて話し合いました。
 認知症のイメージとしては 
“簡単な計算が出来ない”、“会話が通じない”、“自分と他人の区別がつかない”、”物を盗られたといった被害妄想や幻覚が見える”
といった意見が上がりました。実際に家族として関わっている方も何名かいました。

 認知症には大きく分けて、『アルツハイマー型認知症』、『脳血管性認知症』、『レビー小体型認知症』、『前頭側頭型認知症』 の4つに分けられ、それぞれ特徴や症状が違います。また、物の名前が出てこない・段取りがたてられない・新しいことが覚えられない等、中核症状と呼ばれる症状と 気分が落ち込む・目的なく歩き回る・物を取られたと言う等、周辺症状と呼ばれる症状があり、周辺症状は周りの理解と支援があれば、症状が軽くなります。
 認知症は本人だけでなく、家族にとっても辛いことで、家族が認知症であることを受け入れるまでには、主に次のような順序をたどります。

  • 第1ステップは、認知症の症状へのとまどいや、認知症であるはずがないと否定し、一人で悩む時期です。家にカギをかけ、認知症の人が外を徘徊しないようにするのもこの時期です。
  • 第2ステップは、家族にとって一番つらい時期になります。認知症の人から財布を盗ったなどの言われようのない非難を受けたりし、精神的にも肉体的にも疲れ、認知症の人を拒絶しようとします。
  • 第3ステップは、割り切り、あきらめの境地に至り。
  • 第4ステップで、徐々に認知症を受け入れていくようになります。

 認知症は「わからないことがわからなくなる」病気で、認知症に対して正しい理解をし、認知症の人をその人のあるがままに家族の一員として受け入れることが大切なことだと、長坂先生は強くお話しされました。

 認知症はアリセプト等の薬を服用して症状を抑える方法もありますが、投薬に頼らない「回想法」という治療法もあります。昔の写真や物から自分のこれまでの出来事(過去、人生、半生)を思いめぐらし、海馬や前頭葉を鍛えることで、認知症の治癒や進行を遅らせる効果があります。今回実際に昔のレコードやお手玉などを見せていただいて回想法を体験しました。性別も年代も違う方々が参加していましたが、昔話に会話は途切れませんでした。絆のデイサービスでも、思い出話に花が咲き、皆さんが笑顔になっているそうです。

《参加者の感想》

  • グループワークや講義を通して、認知症に対する理解が深まりました
  • 異認知症の人との向き合い方や認知症について考えさせられるきっかけになりました

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